フィールドトリップ/20190620
■新国立劇場
■フィールドトリップ受講者コメント①
今回のフィールドトリップでは、新国立劇場の構造について理解を深めることができた。エントランスから入ったホワイエでは,対面の壁と池で幹線道路や首都高速,地下鉄から遮音する構造となっており,劇場の静寂と非日常を演出するなど、オペラ等に集中できる環境づくりが行われていた。劇場内の観覧席では,壁面,椅子材等ほとんどの材料に木が使われており,建築音響や座席数などあらゆる要素を計算し、全ての観客が最適な音響でオペラを楽しむ工夫がなされていた。次に、舞台見学では,舞台袖の役割や4面可動式の迫り,演目に応じて床材を変更すること等の説明を受け,舞台の演出に多くのスタッフが必要であることを改めて知った。最後に,搬入路や地下倉庫,可動式舞台の裏側等のバックヤードの見学を行い,普段見ることのできない構造物や舞台セットの大きさや構造を見ることができた。見学を通じて,迫りが16tまで重さに耐えられるがプールを使用する舞台では水の容積に慎重になることや,舞台セットは普段は千葉の倉庫に格納してあり,劇場で組み立てたり解体したりして繰り返し使用すること,搬入路の高さは世界共通で決められていること等の説明を聞いた。劇場内を案内していただきながら説明を聞くことができ、実際のイメージを持ちながら具体的に質問をすることができたため貴重な時間となった。
( 防災・危機管理コース MJB19503 玉井崇仁)

■フィールドトリップ受講者コメント②
今回のフィールドトリップでは、新国立劇場の運営について見識を深めることができた。新国立劇場はオペラ、バレエ、ダンス、演劇等の現代舞台芸術を公演するための劇場であり,オペラハウスとしての実態を備えた日本で唯一の劇場であるとのことである。すなわち、オペラを実施できるだけの会場設備を整えているだけでなく、劇場自身で合唱団やバレエ団を持ち、芸術監督の指揮のもと各演目を企画・制作しており、ハード・ソフト両面の機能を持ち合わせているということである。そのため、入場率の良し悪しやコストの増大などのリスク要素は全て、劇場を運営する法人が抱えており、人材育成や集客など様々なバランスを考慮しながら、運営面で大変苦心されていることが分かった。一方で、劇場が育て上げた合唱団やバレエ団は、他の団体が実施する公演にも出演を要請されるなど世界でもトップクラスの実力を持ち、劇場内外で活躍している。今回は劇場設備及び運営の裏側を知ることができた。裏側を知ったからこそ、次回は客として、劇場の表側である公演を見に行きたいと感じさせてくれるフィールドトリップであった。
(防災・危機管理コース MJB19502 田中宏紀)

■国立新美術館
□講師 四元俊英(公益財団法人新国立劇場運営財団 支援業務 室長)
□住所 〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1−1
□HP https://www.nntt.jac.go.jp/
