開催報告①|「劇場の未来を考える~課題解決型シアターマネジメント2020」PartⅠ

2020年12月18日(金)、令和2年度「劇場活動にかかる評価リテラシー育成のための教育プログラムの開発 自己評価ガイドブックの作成及び調査アプリの開発」協力劇場のみなさまをお迎えし、「劇場の未来を考える~課題解決型シアターマネジメント2020(The future of theaters: Beyond the pandemic crisis)」を開催しました。

ご参加・ご視聴いただき、誠にありがとうございました。



■概要

本事業初年度となる今回のシンポジウムでは、COVID-19により大きく変化した昨今、公共劇場における国内外最新の動向についての情報共有の場として、各劇場の現状を整理し、課題の把握、評価の有効性や活用、自己評価の試行等に関する議論を行った。PartⅠでは、本事業研修生による「劇場が直面する課題」として各劇場からの事例報告、PartⅡでは、現下の国際的潮流 コロナの影響と芸術活動 緊急報告」として、専門家による緊急報告を主とした二部構成とした。

■オープニングリマークス|GRIPS教授 垣内恵美子

開会にあたり、2017年度より3か年をかけて取り組んだ「課題解決型のシアターマネジメントに向けた次世代リーダー育成のためのプログラムの開発」の成果を紹介するとともに、2020年度からの本事業について概説したうえで、本シンポジウムの趣旨を述べた。主体的な自己評価に向けた課題整理、劇場が考えていることを共有するためのPart1、国際的な潮流としてCOVID-19に対する対策を含めて緊急報告を行うためのPartⅡであることを確認し、国内外の劇場で、どのようなことが行われているかを伺いたい、と、述べた。



■PartⅠ

主体的な自己評価に向けた課題整理、各劇場の取り組み等を共有するために、今年度協力劇場より6施設、7名の研修生が発表を行った。ここでは、地域の特色、文化的背景をふまえた設立経緯、運営方針、施設や組織等の概況をはじめ、主な事業について説明したのち、緊急事態宣言下での閉館や、そこから再開にかけての取り組み、今後の事業展開など、具体的な事例をご紹介いただき、COVID-19による影響・対策などを共有した。



研修生の発表のなかで、印象に残ったものをいくつか紹介する。


「来場者の維持と新規開拓。ブランド力を高めることから、あらたな客層の開拓、若年者向けの事業の実施などへ移行しようとしている」「ニューノーマルに即した試行錯誤は、今後も必要ではないか」(札幌コンサートホールKitara)、「継続性を担保できておらず、根付いたものを育てていくための仕組みづくりが必要ではないかと考える」(日立システムズホール仙台)、「ホールの位置づけから、多目的であるこその価値は、コロナにより今後どこへ向かうのか」(神奈川県民ホール)、「このような社会でホールはどのような可能性をもつのか、文化施設の役割を探りたい」(神戸文化ホール)、「安全、安心を最優先に、感染症対策は喫緊の課題。コロナ禍下でうまれた企画もある」(三重県文化会館)、「劇場まわりの環境整備実施で、市民により親しめる空間づくりに努め、原点に立ち戻る思いがした」(しいの実シアター)。


各劇場とも、今出来る感染対策への取り組みのみならず、地域との連携、芸術家への支援など、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」へ向けた模索を続けている。また「動画配信によるコロナ禍における閉塞感の払拭、演奏機会の創出という成果の一方、質の高い配信コンテンツ作成にかかる課題として著作権問題、事業費の増加」「対策を講じるための費用、労務の負担が大きい」など苦境にありながらも、「オンライン配信であらたな観客創出に挑む」「本来の劇場の役割を考える機会となった」と、この状況を前向き捉える声もあり、文化の力、芸術の力を今こそという強い意志を感じさせられた。



PartⅡの様子は、こちらから御覧ください。

■プログラム

13:00 - オープニングリマークス 垣内恵美子(GRIPS 教授)

Part Ⅰ|劇場が直面する課題

Issues facing theaters including possible COVID-19 counter-measures 13:15 - 15:15 <6劇場×20分> 現状紹介と情報共有&課題の議論    ①13:15-13:35 札幌コンサートホールKitara   ②13:35-13:55 日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)   ③13:55-14:15 神奈川県民ホール   ④14:15-14:35 神戸文化ホール   ⑤14:35-14:55 三重県文化会館   ⑥14:55-15:15 松江市八雲林間劇場しいの実シアター

Part Ⅱ |現下の国際的潮流 コロナの影響と芸術活動 緊急報告

​     Adverse effects of COVID-19 in Europe and France and contingency plans for artistic activities 16:00-17:00 特別講演|同時通訳(日英)

 16:00ー16:30 フランス:コロナの影響と芸術活動(緊急報告)|クサビエ・グレフ氏 (パリ第一大学 名誉教授)

 16:30ー16:45 劇場ができること|岸 正人氏 (公社 全国公立文化施設協会)

 16:45ー17:00 劇場ができること-兵庫・芸術文化センターの挑戦|藤村 順一氏 (兵庫県立芸術文化センター 副館長)

 17:00ー17:25 質疑及びディスカッション

        齋藤 讓一氏 (一社 日本劇場技術者連盟 理事長)・津村 卓氏 (一財 地域創造 プロデューサー )他

 17:25ー17:30 クロージングリマークス  垣内恵美子(GRIPS 教授)

主催:政策研究大学院大学公共政策プログラム文化政策コース

企画・運営:ディレクター・教授 垣内恵美子 研究助手 小川由美子/コーディネーター 深川智美・中野真実

(令和2年度 | 文化庁 | 大学における文化芸術推進事業「劇場活動にかかる評価リテラシー育成のための教育プログラムの開発~自己評価ガイドブックの作成及び調査アプリの開発」)

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