2019年度 PP発表会|開催報告
2020年2月7日(金)、政策研究大学院大学公共政策プログラム文化政策コース 修士 髙橋朋也さんによるPolicy Paper(政策研究報告)「文化と観光の好循環による持続可能な文化財の保護に関する考察ー「四国八十八箇所霊場と遍路道」を事例として」(のち「四国八十八箇所霊場と遍路道」を事例とした持続可能な文化財の保護に関する考察-文化と観光の好循環を実現する整備の方向性-」へ改題)発表会を行いました。

徳島県より派遣された髙橋さんは、文化と観光の好循環の観点から、「四国八十八箇所霊場と遍路道」を事例に、持続可能な保護につながる文化財の整備の方向性を考察するための研究を行いました。「人口減少社会に対応できる「持続可能な文化財の保護」を実現するためには、文化財の観光活用などにより交流人口を拡大させるとともに、保護活動に必要な人材や財源を地域内外から確保する視点で文化財の保護を検討する必要がある」という観点から、「交流人口である巡礼者の行動や意識などの傾向を把握し、文化と観光の好循環による持続可能な整備の方向性を検討」するため、事例における保存・活用に関する課題、巡礼者の傾向を明らかにするためのアンケート調査などを行い、統計解析により、巡礼者の傾向を詳細に分析し、「交流人口の拡大につながる整備」や「地域内外からのボランティアや寄付の確保につながる整備」の方向性について言及しました。

限られた時間の中で、ヒアリングやアンケート調査等、丁寧な現地調査を行った髙橋さん。現地の方々の声をお聞かせいただくことであたらしい気づきを得ることも出来たのではないでしょうか。発表においては、助成金による補填やマスメディアを通じた広報、といった従来の方法にとどまらず、観光客を含めた支援者からの協力や寄付の可能性等を示し、あらたな政策提言へつなげるべく、さまざまな課題と将来の方向性について述べました。
徳島県の文化、観光の担い手として、今後ますますのご活躍を期待しています。
【ご案内】
本研究は「「四国八十八箇所霊場と遍路道」を事例とした持続可能な文化財の保護に関する考察 ―文化と観光の好循環を実現する整備の方向性―」として、2019年度3月にGRIPSディスカッションペーパー / Discussion Paperに掲載されました。下記リンク先よりご確認いただけます。