開催報告|特別セミナー2021|文化を巡る政策最前線(第76回)
文化政策コース
特別セミナー2021文化を巡る政策最前線
文化政策コースでは、各分野における専門家をお招きし、本学学生を対象に特別セミナーを開催しています。第76回は「国立劇場:伝統芸能の未来を担う」をテーマに現地(国立劇場)を視察、専門家のお話をお伺いいたしました。
<受講者による感想>
今回は、国立劇場の施設見学と職員の方のお話を伺う貴重な機会を得た。前半の施設見学では、主に舞台の仕組みを知ることができた。通常では足を踏み入れることができない花道や黒御簾、制御室などを見学した。「廻り舞台」を体験した際は、想像以上の速さで回転していることに驚いた。国立劇場の舞台装置は電動化されているものもあるが、全てが電動化されているのではなく、人の力と合わせて舞台を作り上げているというお話がとても印象に残った。後半は、職員の方のお話を伺った。伝統芸能継承者の養成事業に関する取り組みは、大変興味深かった。各分野に合った研修が行われており、伝承者養成における国立劇場の果たす役割の大きさを知ることができた。
本セミナーを通して、伝統芸能への関心が一層高まった。ここで得たことを今後に生かしていきたい。
(文化政策プログラム 大熊 玲子)
(視察の様子)

(集合写真|笹川さま、ご関係者のみなさま、ありがとうございました)
【第76回 開催概要】 ■日 時 2021年6月24日(木)18:30-20:00 !現地集合18:20! ■会 場 国立劇場 ■講 師 笹川 康雄 氏
(独立行政法人日本芸術文化振興会 審議役・国立劇場調査養成部長・国立劇場再整備本部本部長代理)
■題 目 「国立劇場:伝統芸能の未来を担う」 ■内 容
国立劇場は、1966年の設置以降、世界に誇るユネスコ無形遺産である歌舞伎や文楽といった伝統芸能の殿堂として、貴重な公演鑑賞機会を提供するとともに、人材育成や関連情報のアーカイブ化など多様な活動を行ってきた。一方、独立行政法人の一部として効率的な運営や社会的インパクトの極大化への要求、建物の老朽化、さらにはコロナ禍の影響など近年、多くの課題に直面している。高まる期待に応え、本来のミッションを達成するために何が必要か、現状分析と今後の方向性について検討する。